開業のポイント

◆開業エリア選定は最大の成功ポイント!

 

医療機関の成功において、開業地の選定は最重要課題です。

開業エリアの選定を誤ったものにしてしまうと、医療経営に大きな影響があります。

 

開業エリアを選定するためには、いくつかの要素があります。

 

  1. 開業エリア
  2. 立地条件
  3. 周辺競合環境
  4. 地縁
  5. タイミング  

 

1.開業エリア

 

 既に開業すれば成功するようなエリアは少なくなっています。

 また、開業時の費用の問題や、隣接する医療機関との関係など複雑な要素があります。

 

 しかし、第一に考えるのは、周辺住宅地に人口が存在しているのかという点です。

 開業しても、周囲に人がいないのであれば、診療圏を広げなくてはなりません。

 診療圏を広げるためには様々な努力が必要となってくるのです。

 簡単な作業ではありません。

 

 しかし、開業エリアに人口が多いようであれば、患者数の確保は容易になります。

 人口密集地での開業では成功確率は高くなります。

 

 これは、3の周辺競合環境にも影響を受けます。

 どんなに多くの人口があっても、競合する医療機関が数百メートルにいくつも

 あるのであれば、成功は難しくなります。

 

 弊社では、人口統計や患者調査などを含め、開業エリアの調査を行います。

 1日あたりの推定患者数、周辺人口の年齢構成など複数のポイントから判断を

 していきます。

 

 

2.立地条件

 

 開業する際に実際に物件を見る際に、立地条件を診断する必要があります。

 当たり前の話ですが、高齢者に医療を提供する場合に階段はなくさなくては

 なりません。1段の段差は、患者数を10%は下げてしまうと考えてください。

 

 また、医療モールなどでも、そのモールの位置により来院患者数は大きく変わります。

 立地は繊細です。

 マイナス要素は減らす必要があります。

 このような点も含め、しっかりと判断をしていただきたいと思います。

 

 

3.周辺競合状況

 

 過去の成功事例として、周辺競合が多い中の開業パターンもあります。

 競合数は多いものの、強くはないという状況の中、他の医療機関とは違う

 診療領域をカバーする医療機関を作ることで、競合との差別化を実現する

 という方法があります。

 

 この場合、どうしても初期投資金額は高くなります。

 高度な医療設備、広さを伴う医療機関を作ることで、周囲との差別化を

 図り、地域で一番の医療機関を作り上げる方法もあります。

 

 逆に初期投資金額を減らし、その後の移転増床も検討しながらの開業もあります。

 この場合は、どうしても毎月の収入は大きくなりません。

 しかし、借入金を低くすることで、安定した経営を行うことができます。

 

 低投資の場合は、できるだけ競合関係が薄いところが望ましいところです。

 

 周辺競合の力は、いくつかの要素を見る必要があります。

 一日当たりの来院患者数、治療領域・技術、知名度、スタッフ数、接遇レベル

 待ち時間など、これらの要素を複合的に判断する必要があります。

 

 

4.地縁

 

 物件は縁ものです。

 

 欲しい物件は、即なくなっていきます。逆にいくつもの不動産業者から

 紹介を受ける物件は、何かしらの問題点を抱えています。

 

 しかし、他の開業予定者にとってマイナスであっても、今回の開業では

 マイナスにならない場合もあります。

 それは、地縁があるかないかです。

 

 落下傘開業の場合は、地域との連携を作るためにどうしても時間がかかります。

 地域特性も全くわからないまま、数字的に成功を確信し開業を決める先生も

 おられます。

 

 しかし、このようなケースの場合は、経営が苦しくなることが多いようです。

 成功する場所ならどこでもいいというのは、地域医療提供する医療機関として

 やはり本質から外れているのです。

 

 経営者にとって、縁は大きなものです。

 何かしらその場所との関わりがなくてはなりません。

 地縁を意識していただきたいと思います。

 

 

5.タイミング

 

 開業時期の問題です。

 計画的に開業をする必要があります。

 

 開業を決めて、実際に医院がオープンするのは、1年はかかります。

 この1年間は猛烈に忙しくなります。

 

 しかし、もっと良いところがでるかもという理由で開業時期を逸する場合もあります。

 タイミングを見定めるのも経営者の力です。

 

 

 決断をしっかりしていただきたいと思います。