病院におけるインターネット対策の変遷と未来戦略

~10年前と現在の比較から学ぶ、インターネット対策の今後~

日本の病院経営は、この10年間で大きな変化を遂げました。少子高齢化の進行、医療従事者不足、診療報酬制度の改定に加え、インターネットが病院経営の「生命線」となりつつあります。

 

10年前は「補助的な広報ツール」だった病院のホームページやSNSが、いまや患者獲得、採用活動、地域医療連携、研究活動にまで直結する重要な基盤となりました。

 

本稿では、10年前と現在を比較しながら、病院におけるインターネット対策の進化を解説します。さらに、Google口コミ対策、SNS活用、採用戦略、地域連携、臨床データの公開、広告規制やセキュリティ対応といった観点を踏まえ、今後の病院が取るべき戦略を提案します。

 

10年前:黎明期のインターネット活用

ホームページは「最低限の掲示板」

 

2010年代前半、多くの病院はホームページを持っていましたが、その内容は所在地・電話番号・診療科目程度にとどまり、更新も滞りがちでした。

事例:地方病院A

  • HP2008年開設以降更新なし
  • 休診情報が古く、患者が混乱し電話問い合わせが殺到
  • 「広報=紙媒体」という固定観念から脱却できず、地域の信頼を損ねた

患者の情報収集

  • かかりつけ医の紹介
  • 家族・知人からの口コミ
  • タウンページ、地域誌

採用活動

 

  • 紙媒体や紹介会社中心
  • 病院HPは参考にされることは少なかった